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Surgery

顎変形症

顎変形症について

顎関節症

顎変形症とは、頭蓋や顔面の骨の成長発育異常による上下の骨格の不調和に、歯の位置の異常が加わることにより、重度の咬み合わせの異常と顔面の変形を呈す疾患です。そのため治療にあたっては歯科矯正治療とともに外科的な顎骨の骨切り手術が必要となります。
顎変形症の種類には、上顎前突症、下顎前突症、上下顎前突症、上顎後退症、下顎後退症、開咬症、顔面非対称などがあります。

治療の流れ

治療の流れ

外科的矯正治療の一般的な流れは、「術前矯正」→「入院・手術」→「術後矯正」→「保定」という段階を経ます。術前矯正は通常1~2年かかり、入院期間は5~7日、術後矯正は約1年が目安です。最近では、Surgery First(サージェリーファースト)と呼ばれる新しい治療方法もあります。これは、治療の最初の段階で手術を行い、上下の顎を理想的な位置に調整してから矯正治療を行う方法です。この方法により、術前矯正の期間を大幅に短縮できる場合があります。
当院では、顎矯正手術の治療計画において、十分に経験をもつ歯科矯正医と口腔外科医が患者さんの状態を正確に診断し、術前矯正の必要性や手術方法を慎重に検討しています。その上で、患者さんにとって最適な治療法をご提案いたします。

顎矯正手術について

顎矯正手術について

顎変形症に対する標準的な手術法についてご紹介します。この手術法は1970年代から世界中で広く行われており、1回の手術で顎の骨を理想の位置に移動させます。治療後も安定して長期的な効果が期待でき、顎変形症の標準的な治療法となっています。

下顎骨骨切り術

a. 下顎枝矢状分割術(SSRO)
両側の下顎枝(下顎の歯が生えている部分の後ろ側)を内側と外側に分けて切り、歯の生えている部分の骨を移動し、金属プレートなどで固定します。SSROは、骨と骨が接触する面積が広いため、骨が早く癒合しやすく、手術後の後戻りが少ないのが特徴です。また、顎の移動量や移動方向の調整がしやすい点も利点です。ただし、手術の際には下歯槽神経(下顎の神経と血管の束)を傷つけないよう注意を払いますが、術後には一時的に下唇の感覚が鈍くなることがあります。

b. 下顎枝垂直骨切り術(IVRO)
両側の下顎枝を縦に切る方法です。神経が骨に入る部分の後方で垂直に骨を切るため、神経障害が起こる頻度が低いという特徴があります。また、顎関節への影響が少ないため、顎関節に症状がある方や、下顎骨の左右の移動量に差があり回転が必要な場合によく用いられます。一方で、この方法は両側の骨片が接する面積が小さく、骨が癒合するのに時間がかかりやすいこと、さらに移動できる量に限界があることがデメリットです。

c. 下顎前歯部歯槽骨切り術(Köle法)
奥歯のかみ合わせが良いものの、下顎の前歯部分に著しい不正があり、歯科矯正のみでは治療が難しい場合に行います。通常、第一小臼歯を抜歯し、その部分の歯槽骨(歯を支える骨)を切って、前歯部分の骨を後方に移動させます。この方法により、かみ合わせを整えやすくします。ただし、歯の生え方によっては、骨を切る際に隣接する歯を傷つけるリスクがあります。

オトガイ形成術

オトガイ部の骨を、移動したり、削除したりする方法です。オトガイ部の突出感あるいは後退感、左右非対称が上記の手術を施行しても改善しない場合には、この手術を行う場合があります。

上顎骨骨切り術

a. Le FortⅠ型骨切り術
上顎骨を歯の根の上あたりでほぼ水平に骨切りし、歯が生えている部分の骨を上部の骨から分離して移動させ、金属プレートで固定する方法です。手術中は、眼の下を通る神経(眼窩下神経)や、口の奥にある神経と血管(大口蓋神経血管束)を傷つけないよう注意して行います。この手術は上顎だけで行うこともありますが、下顎のみの手術で改善が難しい、著しく下顎が前に出ている症例や顔の非対称がある症例では、下顎の手術と組み合わせて行われることが多いです。また、移動量、方向によって、上顎骨を2分割することがあります。

b. 上顎前方歯槽部骨切り術
奥歯のかみ合わせが正常である一方、上顎の前歯部分に著しい不正があり、歯科矯正だけでは治療が難しい場合に行われます。通常、第一小臼歯を抜歯し、その部分の歯槽骨(歯を支える骨)を切って、前歯部分の骨を上方または後方に移動させます。この方法によって、かみ合わせと前歯の位置を改善します。ただし、歯の生え方によっては骨を切る際に隣接する歯を傷つけるリスクがあります。

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